自分の姿勢に注意を払おう(今矢宗佑)

姿勢は、つねに変化しています。

じっと座って仕事をしているときの姿勢と寝転がってくつろいでいるときの姿勢では、まったく異なります。運動をしているときは、背骨を柔軟に動かして、さまざまな姿勢をとっています。ときには、腰に負担のかかる体勢になることもあるでしょう。

しかし、どんな姿勢をしていても、からだのどこかに痛みがあるのはなにか異常があるのです。そのためには、たえず基本姿勢を意識し、基本姿勢に戻る心がけが大切です。

身長どおりの姿勢

基本姿勢とは、すなわち「身長どおりの姿勢」のことです。自分の身長のままの姿勢なのですから、楽でないということがおかしいと思わなくてはなりません。

楽な姿勢は無理な姿勢

楽な姿勢というのは、じつは、背骨にとっては無理な姿勢になっていることが多いです。たとえば、脚を組むという行為です。

脚を組む

最近は、いすに腰をかけると脚を組む人が数多くいます。女性の場合は、両ひざをそろえたまま座り続けるのはつらいので足を組むようです。脚を組めば、ひざが開かないから、座るとすぐに脚を組む、という声も聞きます。そして、ほとんどの場合は、同じ脚を上にしています。それが楽な姿勢なのでしょう。

右脚を上にすれば、右の尻が浮いて、重心は左の尻にかかります。うしろから背筋を見ると、カタカナの「ノ」の字を書いたようになっています。これは背骨にとっては無理な姿勢です。

横座りは良くない

畳の上に座るときに、女性によく見られる「横座り」も悪い姿勢の代表です。

この座り方も、おおよそパターンが決まっています。右利きの人は、両足を左に流す座り方で、いつも同じ方向に流します。うしろから背筋を見ると、やはり「ノ」の字になっています。足を反対側に流すと座りにくいようです。これではくせにならないほうが不思議でしょう。

くせになって、まっすぐに立っているときでも「ノ」の字が戻らないようだとたいへんです。もう立派な側彎であり、腰痛の予備軍になっているのです。

横書き姿勢も側彎(そくわん)のもと

生活習慣は、たいへんな影響力をもっています。たかが姿勢と思う人もいるでしょうが、その積み重ねが大きな健康障害を引き起こすのです。

最近は、習字の機会が少なくなりました。筆で文字を書くことがほとんどないからでしょう。しかし、習字は、字を書くための正しい姿勢を身につけるには、とても有効な手段だったのです。

いまは横書きの時代です。横書きでものを書くと、右利きの人は右肩を少し上げ、突っ込むような姿勢になりがちです。座ってその姿勢をとると、右の尻は浮き、左に重心がかかります。背筋はやはり「ノ」の字になります。つまり、背骨が横に曲がっている「側彎」(そくわん)の状態です。

横寝テレビ姿勢をくせにしない

もう1つ、悪い姿勢の代表があります。「横寝テレビ姿勢」と呼ばれますが、テレビを見るときに、畳やソファにごろ寝をしながらとる姿勢です。

右利きの人は、右を下にして、右手で頭を支えています。逆にすることができないわけではないのでしょうが、くせになってしまうと、背骨はその方向に歪んでしまいます。直接腰椎に負担はかからないものの、側彎を進行させるには十分です。

つねに姿勢を意識しよう

そのほかにも、側彎を助長する生活習慣はたくさんあります。

右利きの人が、右手で重い荷物を持ったり右肩にバッグをかけたり、右肩に荷物を担いだりすれば、上体は左に寄ります。その姿をうしろから見ると、背筋は「ノ」の字になっているでしょう。

料理や掃除

料理でも、右手で包丁を使えば、横書き姿勢に近くなります。

掃除機で床を掃除するときも、自分の姿勢を意識してみてください。背筋が「ノ」の字になっていませんか。

信号待ちで交差点に立っているときも、右足一本に重心をかけ、上体を左に傾けていませんか。

背筋を「ノ」の字にしない

無意識のうちに腰を右に寄せるくせのある人は、ぜひ注意してください。あなたは、側彎になっているかもしれません。

生活のなかで、つねに姿勢を意識し、背骨に無理をかけていないか、背筋が「ノ」の字になっていないか、いつも注意するようにしましょう。(今矢宗佑)