腰が痛くなる姿勢

腰が痛くなるときは、姿勢が崩れている場合が多いです。崩れた姿勢にはいろいろな形がありますが、一つの典型的なパターンは「反り腰」です。おなかが出て、ヘッピリ腰になったり、お尻が出たり、それから背中を丸くし、肩を落として、首を前に出しているというような状態です。

この場合、耳の下から通った重心は、後ろのほうを通るようになり、股関節の上を通らないで、骨盤の後ろのほうへ通るようになっています。

重心が後ろに

このように腰のそり返りが強くなって、重心が後ろのほうにくる状態をスウェイバックといいますが、ちょうど女性がハイヒールをはいて立っているときの形に非常によく似ています。こういう彎曲(わんきょく)、特に骨盤の上にある腰椎のそり返りが強くなっているというのが、腰の痛い人の典型的な姿勢です。

円背(えんばい)

次に多い腰の痛い姿勢は、背中が非常に丸くなって猫背になっているものです。これを円背(えんばい)といいます。ちょうど亀の子の背中のような、あるいは猫が丸くなっているような姿勢で、これも腰の痛くなる一つの原因になっています。

凹背

それからスウェイバックによく似ている、腰のそり返りが強いが、重心の位置は比較的いいところを通っているというのが、いわゆる凹背(おおはい)です。腰椎が強くてへこんでいる背中、という意味で凹背というわけです。

平背(へいはい)

逆に背骨の自然のS字状の彎曲がなくなって、平らになっている背中を平背(へいはい)といい、これも腰の痛くなる原因になっています。

腰の痛いときには、大半がS字状から乱れたかっこう、すなわちスウェイバックという状態や円背、凹背、平背というような姿勢をとっています。

腰の痛みの悪循環

ギックリ腰を起こしたときの姿勢をみてみると、反射的に背中の筋肉が凝って収縮するために、背中のカーブがなくなって一枚の板のようになっています。すなわち、平背の状態になっています。その状態で体が前、そして左右どちらかに傾いています。

これは、痛みがあると、筋肉に力を反射的に入れて痛い場所を動かなくするからだのしくみのせいです。すなわち筋肉がコルセットの役目をして、痛みをやわらげようという体の努力です。

しかし、この体の努力というものがまた筋肉の凝り、痛み、血の循環の悪さを起こして、痛みの原因になもなります。たとえば、盲腸炎、あるいは虫垂炎になると、おなかがパンとかたくなります。これは腹膜の刺激のために、おなかの筋肉に自然に力がはいってしまって、そこを守ろうとするためです。これは筋肉によって防禦しようという働きです。腰が痛いときには、これと同じことが腰に起きます。

筋肉の中のシコリ

痛みがあると、こんどは筋肉の中にしこりができ、そのしこりが、また刺激の中心になって、そこから別の場所にとんでいくという悪循環を起こします。こういう状態をいつまでも放置しておくことは、腰の痛みにとってはたいへんまずいことなので、一刻も早く、こういう刺激をとって、理想的な関節、理想的な背骨にもっていく努力をしなければなりません。

けいれんや血の循環との関係

筋肉の痛み、あるいは腰の痛みで、もう一つだいじなことは、痛み、けいれん、血の循環の悪さということが一つの鎖のようにつながって、互いに関係しあっているということです。

すなわち血の循環が悪いと、筋肉に力を入れると、けいれんを起こしたところはちょうどポンプの途中の管を締めつけるようになり、血が通らなくなります。すると、疲労した物質や痛みの物質が、そこにたまるために痛みの原因になります。痛みが起こると、反射的にまた力がはいって、そこを動かさないようにという努力をする、そのためしこりができる、痛みが起こる、けいれんを起こす、というように悪循環になってくるわけです。

氷で冷やした後、マッサージ

したがって、腰の痛みを治すときには、こういう悪循環を断ち切ることが、非常に大切です。痛みはじめに氷で冷やしたりするのは、筋肉のけいれんをとって、血の循環をよくしてやり、疲労物質を流してしまって痛みをやわらげようというねらいです。あとは、指圧をしてみたり、鍼をさしてみたり、あたためてみたり、もんでみたり、様々な方法があります。

痛みがなくなれば筋肉がゆるんできます。そうなると血の循環がよくなってきて、悪循環の鎖を断ち切ることができます。